散文

心に良いものは、たぶんあっても書かない。

誕生日

その日人類は思い出した。

4連休の最後、誕生日を迎える恐怖を。

 

小学校の頃、自分は周りより何でも出来る天才だと心から思っていたから、この年になればサッカー選手か漫画家になると思っていた。

中学校の頃も勉強はそこそこな努力でめちゃくちゃやってる人と同じくらい出来ていたから、きっとやりたいことを選んで好きな女の子と結婚も出来ると思っていた。

よくある話だと思う。

よくある話だからそうはなっていない。ちょっと器用で初速があるだけだった。

現実は仕事ポンコツだし、結婚のケもない。

仕事面で自発的な努力は続けられない。

好きな女の子が新しく出来る余裕と気配もないし、好きだった女の子と連絡を交わせば複雑さはあるにせよ一人でうなって試合せず終了する。

 

自分に甘い都合のいい8割側の人間。

それでもって他人に対して上から目線で物を言う。

自虐みたいに見えるかもしれないけど、事実だ。卑下でもなく、いいところを挙げないとこうもカッコ悪く見える。

じゃあ気持ちが上向くようにいいところ挙げましょうって話だけど、それができないのが今で、頭が拒否反応を示してしまう。

 

こんなことをわざわざ発信するのはめんどくさい奴だ。都合がいい上にめんどくさい。

妹はいないけど、もし妹の連れてきた男が自分だったら大外刈りをすると思う。

大外刈りはされたくない。受け身の取り方を知らないから。

 

劇的に変わることはないことは分かっているので、この一年は少しずつ良い人間になれるよう願って誕生日を迎えたい。

ロコちゃんがハム太郎に問いかける願いと同じだ。